即興哲学第27回 Artsports

今年の夏、BATSでKeith Johnstoneは、1960年代以来ずっとやっていなかったショーを復活させました。それは、Artsportsです。1960年代、Keithは、Theatresportsを始め、対戦型の即興をいろいろと追求していました。即興の絵の対戦であるArtsports、即興の音楽の対戦のMusicsports、即興のダンスの対戦のDancesportsなどです(即興の詩の対戦はもう既にあったのだそうです。日本で言う「詩のボクシング」ですね)。

私が観たArtsportsの内容は、例えば、2つの点を書いてから、みんなで少しずつ線を足して顔をつくっていくTwo Dots。また、ある図形を使ってどれだけいろいろな絵を描けるかというチーム対抗戦。あと、一番びっくりしたのは、お客さんにヌードモデルをやってもらい、みんなでデッサンするというもの!

KeithはArtsportsについて次のように言いました。「重要なのはどうやったら芸術になるかを考えるのでなく、どうやったらやってて楽しめるかを考えること。もし、できあがったものがすばらしくてもつまらなければ二度とやろうとは思わない。もし楽しければ、もっとやりたくなり、そうして少しずつよりよいものになっていく。」そして、ショーの後、Keithは私に言いました。「君はArtsportsをトライしてみたらいいよ。英語を使わなくていいんだから。」

(2002/12/25)