即興哲学第53回 河回仮面(ハフェタル)

私には、自慢のマスクのコレクションがあります。河回仮面(ハフェタル)です。河回仮面は800年前の韓国の木製の仮面。踊りに使われていたものです。今ではお土産としても人気で、日本でも韓国料理屋さんによく飾ってあります。800年前から残っている河回仮面は9つだけで、韓国の国宝になっています。

3年前、私は国際学会のため韓国に行きました。学会が終わり、一人、ソウルをぷらぷらしました。そして、仁寺洞(インサドン)という骨董街で仮面屋さんを見つけて入りました。そこに並んでいる仮面の中で、私は特にずらりと並んでいる河回仮面に興味を引かれました。日本語が話せる世代のご主人が、仮面について説明をしてくれました。なんと仮面はすべて手彫り!職人が一日1つ半しか彫ることができないのだそうです。でも、値段はお手頃!私は即決で9つ全部を買ったのでした。

そして、その仮面を両手に担いで、近くの国立中央博物館に行きました。そして、そこに展示されている国宝の4つの河回仮面に会ってきました。彼らは、表情を少しずつ変えながら、私の顔をじっと見ていました。

以後、日本に帰ってから、即興実験学校で何度も河回仮面にトライし、新たな彼らの魅力を発見し続けています。

(2004/4/21)