即興哲学第87回 吹奏楽

最近、ある高校の吹奏楽部によくおじゃましています。即興ソングワークショップでお世話になっているかずさんの勤務されている学校です。そこでチューバを吹かせてもらったり、指揮をさせてもらったりしています。

私は小中高とずっと吹奏楽っ子でした。特に高校の時は全国大会を目指して、顧問の先生の厳しい指導に耐えながら、猛練習をしていました。そこで、得られたものも多かったのですが、大きな疑問も残りました。それは、こんなに厳しいやり方でつらい思いをしなければいい音楽はつくれないのか?ということです。その後の人生でインプロを通じて探究していたことは、そういうのではないやり方ですばらしい芸術を生み出すことができるのか?ということだったと、今、振り返ってみて思います。

部員はとても少ないです。ものすごくうまいわけでもない吹奏楽部です。でも、かずさんの人柄溢れる指導のためか、生徒達は夜遅くまで、楽しく楽器を吹き、歌を歌い、いろいろなことを語り合っています。私は、そんな生徒達がどうやったらもっと楽しく音楽をできるかと思って及ばずながら協力させてもらっています。そして、そんな楽しくがんばらない雰囲気の中から、がんばってはつくることのできない音楽が生まれる気配を感じています。インプロでも、がんばってはたどり着くことのできないもっと先の世界を見たい!そう思って、ぼちぼちとやっています。

(2006/3/24)