研究は自分の頭と言葉で考えること

研究とは何かについて、これまでゼミの学部生、院生に誤解させていたのではないかと反省。データに理論を当てはめるとチンと答えが出てくるわけではない。自分の頭で考え、自分の言葉で説明してみる。でもそれだと思い込みだったりする恐れがあるから、データや理論にこの考えで大丈夫かを聞いてみる。

自分の頭で考え、自分の言葉で説明してみたものを仮説と言う。データや理論にこの考えで大丈夫かを聞いてみることを実証と言う。

だから原則として、研究には仮説が必要である。仮説がなければ、自分の考えなしに他の人に聞いてみていることになるから。

研究は(研究にかぎらないのだけど)、他の人に代わりに考えてもらって答えを出してもらうことはできない。自分で考えて自分で答えを出すしかないのだ。

もし自分の書く論文が理論の言葉であふれかえっていたら、それは他人の考え、他人の言葉であふれかえっているということ。自分の頭で、自分の言葉で考えられていないかもしれない警報としてとらえてみる。

(2018/2/1)