週末2日だけ吹奏楽プロジェクト

キャンディード公演が終わって二週間が経ちます。今ふりかえってみると、あれは夢の中での公演だったんじゃないかなという感じです。バーンスタインの音楽はキャッチーすぎて、未だに気づくと曲の断片が頭の中に流れ、無意識的に口ずさんでいます。リハーサル、本番と、とてもすばらしい時間でした。

吹奏楽はこのリーディング公演のために集まってくれたみなさんによる2日だけのバンドです。土曜日が一日リハーサルで、日曜日が本番です。

こういう週末2日だけ吹奏楽プロジェクトをこれからたくさんやってみたいです。長らく吹いてなかった楽器を物置の奥から取り出してきて、ひさしぶりに吹いてみるような。地域の吹奏楽団に入るのは敷居が高くても、個人で練習しておいて土日でリハーサルと本番だったらいけるかもという方はいますよね。

今回も、中学生のころ以来とか、ひさしぶりに楽器を持って参加してくれた方もいました。きっと不安もあったと思います。一生懸命練習をしていました。吹き方を思い出してきたころにはもう本番という感じだったと思いますが、終演後、笑顔のみなさんを見て、とてもうれしかったです。

昔、自転車に乗った経験があれば、しばらく乗っていなくても少し練習すればまた乗れるようになります。

私が理想とする吹奏楽教育は(あるいはインプロもそうですが)、子どものころに楽器の経験があれば、ちょっと練習をしたら思い出してきて、ひとりで演奏してみたり、他の人と合わせてみたり、生涯にわたって楽器の演奏を楽しんでもらえるようなものです。みなさんの様子はそれを体現していました。

バンドの主力は表現教育コースの4年生たちでした。この代は表現教育コースの1期生で、音楽に関心がある学生が多く、1年生の時から、そんな学生たちと授業前の昼休みに一緒に音楽を聴いたりしていました。

やがて私のわがままではじめた吹奏楽教育の勉強会に巻き込み、一緒にスコアを読んだり、中学校吹奏楽部に指導に来てもらったり、指揮法のワークショップをしたり、私の吹奏楽教育本の原稿を読んでもらったりしました。

指揮台の上からそんなみなさんのひとりひとりの顔が見えて、4年前にはまさかこんなバンドができるなんて想像しなかったなぁと感慨深くなっていました。

この主力がみんな卒業してしまうので、来年は同じようなことはできないかもしれませんが、もしあったら土日だけ帰ってきて演奏に加わってくれたらうれしいなと思います。

バンドに加わってくださった玉川学園の中学生、高校生のみなさんは、演奏技術、音楽性とも本当にすばらしかったです。指揮者である私は、中学生、高校生と思わず、一人ひとりのアーティストとしてたくさんリクエストしました。大学生の間に入ったみなさんは、そのリクエストに的確に応えてくれました。

私の指揮ですが、これがもう。。キャンディードの音楽はあんなに親しみやすいのに、楽譜はトリッキー。だから演奏者を助けたいのに、それどころか、演奏者の邪魔をすることも多々。動画を見ると、動きの悪い癖ももどってきてるし、スコアの勉強不足でリハ中だらだらしゃべるし。反省がたくさんです。。

アメリカからもどり、中学校吹奏楽部も離れ、継続的に指揮をしなくなって長くなりました。どんどん下手になっていきそうです。もっともっと修業が必要です。今年はきちんと勉強、練習のための時間を取りたいです。そしてまたいつかどこかで継続的に指揮をする機会ができるといいなとねがっています。

(2019/1/6)