高尾隆のリモートワークショップアイデア

〈高尾隆のリモートワークショップアイデア〉はじめます!インターネット掲示板、チャット、オンラインミーティングなどをつかって、リモートでワークショップをするときに使えそうなちょっとしたアイデアを書いていきたいと思いますー。

自己紹介「3つのうち1つウソ」

自分に当てはまることをABCと3つ言うけど、1つはウソ。聞いていた人たちがABCのうちどれがウソかを当てる。インターネット掲示板やチャットでも、4人ぐらいのZoomブレイクアウトセションでも。

共通点探し

2~4人組に分かれ、まだ知らない共通点を2分以内に3つ以上みつける。4人の場合、4人共通、3人共通、2人共通、全員ばらばらを全部みつけるのも。マイクをオフにしてビデオだけにして、ジェスチャーだけで共通点をみつけるのも。

さしすせそ禁止ゲーム

設定を決めて2人で会話をする。会話の中に、さしすせそのどれかが入っていたらアウト!リスクには失敗がつきもの。「やっちゃった~」とハッピーにオープンに失敗することを学ぶインプロゲーム。

・まずファシリテーターが、両手をあげて「やっちゃった~」と言ういい失敗の仕方をデモンストレーションするとわかりやすい。
・4人組のセッションにして、2人がジャッジするなど。「アウト!」のカードをつくっておいて、それを見せるようにすると便利。
・敬語の設定ではたちつてと禁止で。

好きな本を紹介する

自分の好きな本を紹介する。リアルタイムで本の表紙を見せながら話したり、ネット掲示板やチャットで本の表紙の写真を沿えて文章を書いたりするショー・アンド・テル形式でやるのもいい。

自分は自分の周りのものたちによってつくられる。自分とは何かを話すのはむずかしいけれども、自分の周りのものについて話すのは比較的かんたん。それを聞くことによって、その人のことが逆照射されてよくわかる。

ミラーゲーム

2人組で2つならんだ画面で同じ動きになるように一緒に動く。最初はAさんが動き、Bさんが従う。「スイッチ」の指示で、そこから逆になる。最後には、どちらが動く・従うを決めず一緒に動く。画面が左右反転してたりして混乱(笑)。

漢字1文字で披露

「最近はまっていることを漢字1文字で披露してください」など、質問への答えを漢字1文字で表してもらい、そのあとなぜその漢字を選んだのか理由を説明してもらう。「最近はまっていることを書いてください」より書きやすく面白い。

他の「漢字1文字で披露」の質問は、たとえば、「あなたの夢を漢字1文字で」「今年の目標を漢字1文字で」「好きな食べ物/嫌いな食べ物を漢字1文字で」「あなたの高校時代を漢字1文字で」「地元自慢を漢字1文字で」「あなたの癒やしを漢字1文字で」「自分の好きなところを漢字1文字で」など。

チャットなどで入力してもらってもいいし、紙やホワイトボードに手書きしてもらって、画面でそれを見せながら話してもらうのもいい。手書きのときには、大きく書いたり、小さく書いたり、弱々しく書いたり、力強く書いたり、色や装飾を使ったり、書き方で表現を広げてもいいよと話す。

「あなたの秘密を漢字1文字で披露してください。ただしそのあとその漢字を選んだ理由は説明しないで。」とすると、意味深な漢字が並んで笑えますー。

イルカの調教

2人組に分かれる。Aは頭の中でBにやってほしいかんたんな動きを決める(右手を挙げるとか)。Bは適当にいろいろ動く。AはBが偶然やってほしいことに近づくことをやったら「ピー」と口で合図を出す。それを手がかりにできたら成功!

シェアードストーリー

何人かで一文ずつリレーしてひとつの物語をつくっていく。めちゃくちゃになったら誰でも「もう一回!」と言って最初からつくり直せる。2人組でも大人数でも。オンラインでも、チャットや、ネット掲示板のコメント欄でも。

いつも「むかしむかしあるところに」とワンパターンになるようだったら、「太郎は‥‥」「ジョンは‥‥」と名前からスタートするルールにしてもいい。

何やってるの

AがBに「何やってるの?」と聞く。Aが「本を読んでるの」と言うと、Bが本を読む動作をする。動作をつづけているBにAが「何やってるの?」と聞く。Bが「歯を磨いているの」と言うと、Aが歯を磨く動作をする。これを交互に繰り返す。

言うのと動作をするのが逆なので、こんがらがるゲーム。A→B、B→C、C→Aと回していくと3人以上でもできる。英語の授業で「What are you doing?」「I’m reading a book.」とやると動詞をたくさん使える。

左手絵画

利き手じゃない方の手を使って絵を描く。左手だからうまく描けなくて当たり前。左手はコントロールできないから、私が絵を描くのでなく、左手に描きたい絵を描かせよう。何かを写生してもいいし、想像でもいい。こちらは私が以前描いたもの。

私は木です

3人組で1人目が「私は木です」と言って、木のポーズをする。それを見て2人目が「私はりんごです」など、木と2人で1つの絵になるようにポーズをする。3人目はさらに「私は鳥です」とポーズをして3人で1つの絵になる。

1つの絵ができたら、1人目の木のポーズの人が「りんごを残します」か「鳥を残します」かどちらかを言う。りんごが残されたら、りんごの人が「私はりんごです」ともう一度言って同じポーズをし、今度は2人目3人目がりんごに加わって1つの絵をつくる。これをどんどんくりかえしていく。

あまり考えすぎず、質より量で、インスピレーションにまかせてどんどんつくっていくのがコツ。時にいい絵ができるし、時にくだらない絵ができて笑える。

「I am a tree.」「I am an apple.」「I am a bird.」「Apple, please.」と英語でやることもできる。構文がシンプルに決まっていて、名詞だけ考えればいいので、英語が得意でない人や小学生でもやりやすい。

「私は木です」、昨日のインプロの授業でZoomでやってみた。ビデオオフでしか参加できない人がいたので、音声だけにして頭の中でイメージをつくるバージョンもやってみたけど、それもなかなか楽しかったー。

次、何しますか?

これも昨日のインプロの授業でZoomでやってみた。3人組がやりやすそう。まず、森の中とか、ファシリテーターが設定となる場所を決める。3人組になり、Aが「次、何しますか?」と言う。Bがたとえば「鳥をみつけます」と言う。

Aはその提案がよければ頭の中でイメージを思い浮かべて、「次、何しますか?」と言う。次はCが「鳥を追いかけます」と言う。そうして物語がつくられていく。もしAが、Bの提案がちがうなと思ったら、「いやっ」と言うこともできる。そうしたらCが別の提案する。ビデオオフで音声だけでもできる。

どのゲームをやる場合でも、Zoomブレイクアウトセッションだと、2人組でワークをやるとなんかぎこちなくなっちゃうので、3~5人ぐらいでワークをやるのがよさそう。

物についてウソトーク

手元にある物を一つ手に取り、画面で見せながら「このペンは私の恩師がくれたもので‥‥」「このティッシュは私がNASAにいたときに開発したもので」など、1分間ウソのエピソードトークをする。私はウソゲームが好きなよう(笑)。

先ほどの1限の授業でウソトークやってみました。Zoomブレイクアウトセッションで4人組に分かれて。みんなノリノリで楽しそうでしたー。

専門家のマント

今日の授業でZoomでやりました。ある専門家の役になって議論をする。今日はごんぎつねがいたずらをしないために村長、動物学者、心理学者、子育て上手の親、元ヤンで議論してもらいました。役を演じているので、遠慮なく反論できていい。

1人1つずつリレー

今日の授業で試した。新型コロナの在宅生活を豊かにしてくれたものを1人1つずつ言って回していく。マンガ、家族、YouTube、ペット‥‥。もし他の人が言ったものが自分にも当てはまったら、肩をすくめて上げて「Me, too!」と言う。

1から10でアンケート

これも昨日の授業で試した。おなかが空いて倒れそうが1で、満腹でもう何も入らないを10としたときに、今の空腹・満腹度合いを1から10の数字で答えてもらう。Zoomチャットで。他に、今週の課題の忙しさ、最近の運動量などを質問。

しりとり

私のしりとりは、(1)同じ言葉を何度使っても大丈夫。(2)「ん」で終わる言葉も大丈夫。その場合は「ンジャメナ」か「ンゴロンゴロ」で返す。(3)変なことを言ってしまっても大丈夫。だから「えー」という間を空けずやるのにチャレンジ!

とんねるずのしりとり卓球ゲームを見ていて考案。

連想

前の人が言った単語から連想する単語を言って回していく。私の連想は、たとえば「りんご」と聞いて、1.5秒ぐらいしても何も浮かばなかったら、「りんご」と言って回しても大丈夫。だからこちらも「えー」という間を空けずやるのにチャレンジ!

アメトーークで雨上がり決死隊、劇団ひとり、おぎやはぎ、バナナマンがやっていた連想ゲームを見ていて考案。

カウントアップ

今日、フックがやってくれた。誰かが1と言い、誰かが2と言い、数を数えていく。複数の人が同じ数字を同時に言ったら1にもどる。いくつまで数えられるか。チャットの人が交じっていてもおもしろい!(そしてチャットとよくかぶる!)

演出家ピーター・ブルックのドキュメンタリー映画『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』で、ピーター・ブルックが彼のワークショップに参加している俳優たちにカウントアップをさせていたのを覚えている。

映画『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』
『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』2014年9月渋谷 シアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開

2つの点

Zoomホワイトボードで。最初に点を2つ描き、それを目に見立てて少しずつ線を足して顔を描く。普通は交互に線を足していくけど、Zoomならよーいスタートで一斉に線を足していってもいい。この絵は2つの点のあとみんなで抽象絵画を描いたもの。

20の扉

出題者は1つのものを思い浮かべる。回答者は次々に質問し、出題者は「はい」「いいえ」「答えられません」の3つから返答する。答えがわかったら「それは○○ですか?」と質問して「はい」だったら正解!小グループでも、大人数でチャットでも。

ジョン・ホルトの『子ども達はどうつまずくか』に、20の扉の数字バージョンを子どもたちとやっている様子が描かれている。出題者は1~100の数字のうち1つを思い浮かべ、回答者は「それは50以下ですか?」「それは偶数ですか?」などと質問する。できたら次は1~1000、1~10000とむずかしくして。

キース・ジョンストンのゲームに、出題者が1つのストーリーを思い浮かべ、回答者が次々に質問をして、「はい」「いいえ」「たぶん」の返答から、そのストーリーを当てるゲームがある。(実際は回答者が返答から気づかぬうちにストーリーを想像でつくりあげている。)たぶん20の扉からできたゲーム。

七夕の短冊

みんなでねがいを書いて、チャットで投稿したり、色つきの付せんに書いて画面で見せたり、ホワイトボードアプリの付せん機能を使ってやったり。来週は七夕ですねー。

今、学部授業でZoomチャットでやってみました。友達ができますように、単位が取れますように、部活ができますように、旅行に行けますように、コロナが落ち着きますように。まだキャンパスに入ることもかなわない1年生たちの思いがひしひしと伝わってきました。ねがいがかなうといいね。

不安なことをしゃべる

Zoomで6人組ぐらいになり、誰からでもいいので、今、不安なことをみんなでたくさん挙げていく。聞いてる人は共感したら「それなー」と言う。大きな不安、小さな不安、どんなのでも大丈夫。不安は解決せず言いっぱなしで大丈夫。

インターネット掲示板でも、ホワイトボードアプリの付せん機能でもできます。昨日の授業でやったらすごく盛り上がっていました。特に1年生は不安が多いよねー。

ティルト

インプロのシーン。AとBが友達でZoomでしゃべってるというプラットフォームをつくる。そこにAがある一言(ティルト)を言い、それによってBが変わる。ティルトは私から個別チャットでAに送られる。ひさびさに演劇的な満足が得られたー。

昨日使った高尾作ティルト。
「実は就職決まったんだ」(2年生なのに)
「私、最近浮けるようになった」(画面上方に動く)
「今、あなたのお父さん、家に来てるよ」
「さっき、プリン食べてたでしょ」(隠しカメラ)
「あなたのうちのものメルカリで売っちゃった」
「実は今あの世にいるんだ」