即興哲学第77回 Misbehavior

Misbehaviorは訳しにくい言葉です。「行儀悪さ」とでも言えばいいのでしょうか。これはインプロの舞台ではなくてはならないものだと私は思います。

カナダのLoose Mooseでショーを観た時に一番感じたのは、このMisbehaviorでした。公園のシーンを始めようとすると、役者達は、ランニングしている人とか、シーンに関係ない役でどんどん入ってきます。Misbehaviorの天才は日本にも来てくれたShawnです。彼は、公園のベンチのシーンだと、すぐ、へびの人形を持ってきて登場させたり、小さな布をパタパタさせてちょうちょとして登場させたり、本当にいたずらっ子という感じです。そして、演出のKeithに「それはいらない」と言われて突き返されたりしています。それを見て、お客さんも笑います。

Loose Mooseの人達はこう言っていました。「役者が舞台袖から隙あらば何かしてやろうとしている時はショーはうまくいく。舞台上で仲間が困っていても、舞台袖の役者が萎縮して何もしないで見ているだけになっている時は、ショーはうまくいかない。」

といっても、Good Natureでない、シーンを壊してしまうようなMisbehaviorは、嫌がられるだけです。自由な子どものようなMisbehaviorがお客さんを楽しい気持ちにさせます。もしMisbehaviorについて学べば、もっと勇気が持てるようになるんじゃないかと、私はLoose Mooseで感じました。

(2005/7/6)