公開講座「未来の吹奏楽教育を考える」、すばらしい時間でした!高校生、教職希望の学生、吹奏楽を指導する教師、地域で吹奏楽に携わる方、プロの演奏者・歌手、吹奏楽指導の重鎮、吹奏楽未経験の表現教育者など、多彩な参加者の方々が未来の吹奏楽教育について熱く語り合いました。
コンクールまっただ中のこの時期、「どうやったら強くなるのか」「どうやったら勝てるのか」など一切語らず、どうしたら吹奏楽をつうじて子どもたちが学び成長できるのか、どうしたらもっと音楽を好きになるのか、どうしたら日本の吹奏楽文化がよりよく発展できるのか話し合いました。みな純粋でした。
一緒に講師を務めた土屋和彦さんと事前に話し合っていたのは、なるべくこちらから一方向的に話すのではなく、参加者の方々がなるべくたくさん話せるようにして、ここからひとつのコミュニティが生まれるようにしようということでした。これが見事にはまりました。
午前中から5時間の講座はあっという間に過ぎ、ほぼ全員同じメンバーで中華屋さんに移ってビールを飲みながらさらに語り、それでもおさまらず居酒屋に移って語り、終わったときには22時を過ぎていました。それだけみなさんがもっと語りたい、もっと一緒にいたいと思ってくださったのだと思います。
演劇が専門の私が吹奏楽教育の実践と研究にかかわりはじめて6年、専門外の自分がやっていることははたして大丈夫なのだろうかと不安に感じることもありました。今回、話を聞いてくださった参加者のみなさんが、この方向でがんばっていっていいと背中を押してくださった気がしました。
もともと専門外だった私だからこそ、そして東京学芸大学という教育の大学だからこそできること、みなさんの力になれることをこれからも探して発展させていきたいなと思います。ネクストステップをすぐに考えたいと思います。
今回の公開講座はこれから先、人生を振り返ったときに大きな分岐点だったなぁと思うような忘れられないものになりそうです。思いを熱く語るみなさんの顔をずっと覚えていると思います。
土屋和彦さんと出会えたのは本当に幸運でした。2016年のシカゴのミッドウェストクリニックではじめてお会いしたのは偶然でした。それから、私の吹奏楽教育の実践と研究は大きく羽ばたき、私の世界は大きく広がりました。そして、こんなすばらしい会も実現できました。感謝の気持ちでいっぱいです。
(2019/8/14)