即興哲学第26回 本当に長いロングフォーム

今年の夏、BATSは一つまた新しいショーを始めました。その名は「Serial」。このSerialでは、一回2時間のお話を4週続けてやります。つまり、8時間のロングフォーム(長編インプロ)なのです!ちょうどテレビの連続ドラマを観ているよう。この回の内容は、ちょっと恐いソープオペラ(昼ドラ)という感じでした。何せ8時間の大作なので登場人物も多く、8人ぐらいの役者さんが1人2~3役ずつこなしていきます。2時間終わったところで「来週に続く」となり、次週の頭にはきちんと先週のダイジェストを演じます。

舞台裏を明かしますと、まず、舞台袖に置いてあるホワイトボードには、誰がどの人物を演じているかの表が書きこまれていきます。これをしておかないと、誰が誰だかわからなくなってしまうようです。また、一週終わっても、また次の週があるので、役者さんは落ち着かないそうです。ショーが終わってから、役者さんたちは、設定を忘れないように撮っておいたビデオを見直すのですが、来週どうするか?ということを考えないようにするのがたいへんみたいです。なにぶん即興でやっているから、先のことを考えるとうまくいかなくなってしまうのです。

(2002/12/18)