即興哲学第96回 囲碁

最近、囲碁をやっています。といっても、コンピューターが出す囲碁の問題を解いているだけなのですが。本因坊秀策という江戸時代の碁の名人を特集したテレビ番組を観て、興味を持ちました。

私は囲碁の中でも序盤が好きです。広い碁盤の要所要所に石を打ち、大きな戦略を決めていく段階です。布石という言い方を日常でもしますが、これから必要になるところ、ここに打っておくと後で展開しやすいだろうなというところを判断して打っていきます。頭の使い方がワークショップのファシリテートをする時と似ています。

インプロの基礎・発展・応用は、簡単・普通・難しいと捉えるよりも、囲碁や将棋で言う序盤・中盤・終盤と捉えた方が正確なのかなと思います。インプロの基礎でやっていることは、物語のつくり方やアイデアの生み出し方、インプロヴァイザーとしてのいい状態のつくり方の要所を押さえていくことなんだと思います。序盤・中盤・終盤は、違いがあるだけで、どれが簡単でどれが難しいということはありません。それと同様に、基礎は簡単なわけではなく、むしろ大局的に見ていかなければならない面白さと難しさがあるんだと思います。

そして私は囲碁で序盤が好きなのと同様に、即興実験学校でも基礎ばかりやっているのかなぁと、ふと考えました。

(2007/5/10)