即興哲学第44回 教えることもインプロ

今回から数回、インプロを教えることについて書いてみたいと思います。インプロは即興ですが、インプロを教えることも即興だと私は思います。BATSのRebecca Stockleyは、Keithの教え方について、こう言っていました。

多くの教師は、教室に入るときメニューを持って入る。そして、そこに誰がいようと、同じことを教える。Keithは部屋に入ると、そこにいる人達を見て、この集団に今何が起こっているのかを知り、そして教える。このことを、Keithから学んで以来、私の教え方は全く変わった。

インプロを教えることも即興なら、インプロで学んだことをインプロを教える時にも生かすことができます。Keithの教え方は、前もってつくった自分のアイデアにこだわって、今ここで何が起こっているか見えなくなっている状況から抜けて、今ここで起こっていることをよく見て、そこで相手にとっていいことをするということ。インプロで私達が学んでいることそのものなのです。

即興実験学校も、3年目になって、だいぶひろみと私の間の信頼もできてきたので、ワークショップの中で、その場でやることを決める部分をつくっていきたいと思っています。インプロを教えることも奥が深いといつも感じています。

(2003/10/22)