即興哲学第51回 ハーフマスク

マスク(仮面)と言ってもいろいろなものがありますが、Keith Johnstoneが主に使うマスクはハーフマスク(半面)と呼ばれるものです。このマスクは、顔の上半分、目や頬、鼻の部分を覆うマスクです。このマスクをかぶり、自分の口と合わせることによって一つの顔がをつくります。なので、ハーフマスクはしゃべることができます。

このハーフマスクですが、どれも怒り、喜び、悲しみなど、強い感情や性格を持っています。そして、そのマスクを付けて鏡を見ると、すっと自分がそのマスクになってしまい、自分では経験したことのない、悲しさや怒り、おかしさを経験するのです。

ちなみに、顔の全面を覆う仮面もあります。こちらの方はフルマスク(全面)と呼びます(能面はこちらですね)。ヨーロッパでは、ハーフマスクの方は喜劇に使い、フルマスクの方は悲劇に使うのだそうです。私はハーフマスクしか持っていないのですが、フルマスクの静かで悲しい雰囲気もとても好きです。

(2004/3/3)