私はインプロに出会って10年近くになります。その間、インプロを学んだり、やったり、教えたりしてきました。そしてもう一つ、インプロの研究も続けてきました。昨年、そのインプロ研究のまとめとして博士論文を提出しました。
博士論文のタイトルは「Keith Johnstoneのインプロは創造性を育てるのか」。私はKeithのインプロに興味があり、それを教育にどのように生かすことができるのかに関心がありました。この論文では、Keithのインプロがどのように創造性を育てるのかということに焦点を当てました。そして、まずKeithの今までの人生、Keithのインプロの理論をまとめました。また、Keithのインプロが実践されているBATSやPixarに行き、参加しながら観察しました。そして、私自身、Keithのインプロを用いて創造性を育む授業を大学でやってみました。その実践の中で、いろいろなことを考え、そこから理論を構築しました。
この研究を通して第一に思ったのは、創造性は一部の限られた人達のみが持っているものではない、すべての人が持っているものだということです。でも、多くの人達は自分には創造性なんかないといって最初から降りてしまいます。Keithのインプロは、そんな、人々が自分自身で手錠を掛けてしまった創造性を、再び解放する手助けをしていました。
博士論文の要約、審査の結果である審査論文は、以下のホームページでご覧になれます。もしよろしければ、どうぞご覧ください。
要約:http://www.soc.hit-u.ac.jp/thesis/doctor/04/summary/takao.html
審査論文:http://www.soc.hit-u.ac.jp/thesis/doctor/04/exam/takao.html
(2005/10/19)