即興哲学第4回 振り返り

前回、ショーの重要性について書きましたが、ただ数多くショーに出ているだけで、インプロがうまくなるわけではありません。ショーが終わってからの振り返り(Notes)がとても大切です。

振り返りについてキースが言っていたのは、「議論をするな」ということです。振り返りの目的は、ショーの中でどう思っていたのか、どう感じていたのかをお互いに言い合って、共有することです。ショーに出ているときは、自分のしたことが、他の人たちにとってよかったのか悪かったのかわかりません。それを、この共有によって知り、次回から、「よかった」と言われたこと引き続きやって、「悪かった」と言われたことはやめれば、より「相手にいい時間を与えられる」ようになるのです。

ですから、振り返りの時には、思ったこと・感じたことをを正直に言うことが大切です。実際よりもよく言ったり、悪く言ったりすれば、次回から修正していくことができなくなるので。議論をすることは、時間の無駄づかいどころか、次回から舞台に上がるのをより怖くさせてしまうというマイナスになります。(もちろんワークショップ中に議論するのはいいことです。)

ルースムースでは、ショーが終わった後、10分くらい(長くても15分くらい)の振り返りをします。その日の司会者が、その日のショーでやったことを順番に言っていき、その中で思ったこと・感じたことがある人が発言するという形です。その発言に対して意見を言ったり、反論したり、批判をしたりするのはなしというルールになっています。

(2001/12/26)