即興哲学第55回 自分には力がある

先日の即興実験学校in名古屋の時、ひろみが合気道を取り入れたコンタクトインプロをやってくれました。このワークはとてもおもしろく、驚きに満ちたものでした。

例えば、二人組になって、自分は腕を伸ばして筋肉に目一杯力を入れる。そして、相手が自分の腕を取って、力で自分の腕を曲げようとする。すると、曲がってしまいます。でも、腕の筋肉の力を抜いて、でも腕に意識は通して、息を詰めずに普通に呼吸をして、おへその下の丹田を意識する。そうすると、いくら相手がが力を入れて曲げようとしても、腕はまったく曲がらないのです。まるで、相手が、力を入れているふりをしてるだけで、本当は力を入れてないんじゃないかと思うくらい!まったく違うのです。

この現象は氣で説明できるのか、もっと科学的な言葉で説明できるのか、私にはよくわかりません。しかし、確かに実感することがありました。自分の中には自分でも知らなかったびっくりするような力があるということです。ひろみのワークではそれを、理屈ではなくて、目の前の現実として、まざまざと見せつけられたのです。

私達は、ついつい、「自分はこのくらいの力しかない」、「自分は大したことない」、「自分には無理」と思いがちになってしまいます。インプロの時にも、自分の力を信じることができず、舞台上で不安になってしまいます。しかし、自分には確かに力があるのです。このことを身を持って感じることができた時、今ここにいて、周りを感じ、やりたいことをそのままやれるようになるのではと私は思いました。

(2004/5/26)