即興哲学第15回 Improv Olympic

前回に引き続き、今から5年前にシカゴで私がはじめて観たインプロの話をしたいと思います。Second Cityの次に行ったのが、Improv Olympic。このグループはSecond Cityから派生してできたグループで、ハロルド(Harold)という長い時間のインプロ(Longform)をすることで有名です。

最初に、ショーに行きました。まず、ビックリしたのが歌のうまさ。あらゆるジャンルの歌を即興で歌うのですが、特にすごいのがブルース。さすがブルースの街だと思いました。それから、シーンの途中で「フリーズ」と声をかけて、その止まった身体の動きを生かして全く違うシーンをつなげていくゲームを1時間くらいやっていました。シーン同士のイメージの連続、絡まり合いが、今思うとすごくハロルド的だったなぁと思います。

後日、クラスも見学させてもらいました。先生のCharnaさんは厳しい中にも優しさがある女性でした。クラスの参加者も多彩で、役者さんの他に、弁護士さんもいらっしゃいました。クラスが終わって、帰るときにみんなが、“Come back whenever you want!(いつでも戻っておいで)”と言ってくれました。凍るような夜に、とても温かい気持ちになったのを覚えています。

今でも、インプロの第一印象が、そしてインプロに携わる人の第一印象がシカゴで本当によかったと思っています。

(2002/5/8)