即興哲学第22回 今年のキース

今年、BATSに着いてKeith Johnstoneに再会したときの彼の第一声は、「You are alive!(おまえ生きてたか!)」。Keithは昨年別れるときに、「黒澤の『七人の侍』のラストシーンのように生き残らなければならない(インプロを続けなければならない)。」と私に言ったのですが、そのことを覚えていてくれたようでした。

今年のKeithは、「Give your partner a good time」をすごく強調して教えていました。シーンの中で、まずKeithが役者たちに言うのは、「これは誰のシーンか?(誰が主人公か?)を掴んで」ということ。そして次に、脇役を演じる役者に、「主人公を演じる役者はどうしたがっているのか?を掴んで」と言います。そして、脇役を演じる役者たちは、主人公の役者が進みたい方向にシーンが進むようサポートしていきます。そうすると、すっきりシンプルでいて、かつ、やってて気持ちのいいシーンになるのです。

もう70歳になるKeithですが、今年も新しいショーのフォーマットをやったり、まだまだ創造力は尽きないようです。

(2002/10/23)