即興哲学第36回 私を責めて!

最近、Keith Johnstoneの本の読み直しをしています。あらためて学ぶこともたくさんです。そんな、彼の本から学んだことをご紹介したいと思います。

彼は、インプロを教えるとき、どういうゲームをやるかということだけでなく、どういうふうに教えるかを大事に考えています。インプロ初体験の生徒たちに教えるとき、Keithまず床に座ります。謙虚な姿勢になります。そして、こう説明します。「もしあなたたちが失敗したら、私を責めてください。」生徒たちは笑い、リラックスします。「私を責めるべきなのは当たり前です。だって私はプロとして来ているんだから。もし私がやるものを誤れば失敗するし、やるものが合えば成功するし。」

生徒たちのKeithに対する安心感・信頼感が高まります。自信と経験がある人だけが生徒たちの失敗の責任を取れるからです。失敗が怖くなくなって、グループが変わります。生徒が失敗したときは、Keithは本当に生徒に謝り、「完璧じゃない教師だけどがまんしてください」とお願いします。こうして通常の教師-生徒関係が溶けていくのです。

最近、いろいろなところでインプロを教える機会をいただいていますが、Keithの言うようにはできてないなぁと、反省してしまいます。

(2003/5/21)