即興哲学第7回 ボランティア

海外には、団体運営にボランティア制度を有効に活用しているインプロ団体があります。ボランティアといっても「慈善活動」というよりは、やりたいことをそれなりの見返りをもらってやるという感じです。

ルースムースは組織化されたボランティア制度を持っています。ボランティアの内容は、チケットの販売、飲み物・食べ物・グッズの販売、チケットのもぎりなど。その他、サマースクールの時には、海外からの参加者の受け入れ、授業の準備などの仕事を行っています。

ボランティアをやると、その分ワークショップの料金が割引になります。また、毎月1回、ショーの後にボランティア表彰式があって、たくさんボランティアをした人にはおもちゃが授与されます。ルースムースの劇場にいると、たくさんのボランティアの中高生をみかけます。なんだか日本のクラブ活動のように私には映ります。彼らは、劇場を自分の居場所にしているようです。

ボランティアをやってみたい人は、劇場内にあるボランティア希望者リストに名前と連絡先を書きます。そして、ボランティア説明会に参加し、その後は自分のやりたい程度でボランティアをします。ボランティアについてのトラブルは今のところ全くないようです。

昨年の夏、このルースムースのボランティア制度を見て面白いと思った私は、即興実験学校でもぜひこれをやってみたい!と思いました。現在、即興実験学校では少しずつ試験的にボランティア制度を取り入れ始めています。ショー(Tea Theatre)をご覧になるとわかるのですが、受付、お茶&お菓子の準備、会場の準備、司会、演出補助、音響、記録などの仕事は参加者のボランティアによってまかなわれています。また、自分の時間を使ってボランティアをやってくださった方へのワークショップ割引券プレゼントも始まりました。

これからも、ボランティアをさらに拡大・整備したりと、団体運営の面でもどんどん実験をしていきたいと思っています。

(2002/2/13)