インプロに限らず、生きていく上で、緊張とどう付き合っていくかはとても重要かつ難しい問題です。大事な場面だとどうしてもあがってしまうし、あがらないように、あがらないようにと思っていると、余計にあがってしまいます。
BATSでロングフォームのミュージカルSpontaneous Broadwayに出た時、英語ができない私は、物語の筋を取ることができず、苦労していました。変な形で入っていったらストーリーがめちゃくちゃになってしまいます。私は舞台袖にいながら、どうしようかと思っていました。舞台に上がることなく、物語は終わりに近づいていきます。ところが最後、物語が混乱してにっちもさっちも行かなくなってしまったのです!そこで、私が新たなキャラクターとして登場し、無事、舞台はフィナーレを迎えたのでした。たとえ英語がわからなくても、自分にはできることがある。自分が必要な時が必ず来て、そこで私は仲間をサポートすることができる。この舞台を通じてそう学んだのでした。
その経験は、私の緊張に対する見方も変えました。緊張していても、無理に緊張をなくそうとする必要はない。たとえ緊張でガチガチでも、私にはできることがある。あがっていても、私は仲間をサポートすることができる。そのように考えると、自分の集中は、自分の状態にではなく、舞台や仲間達に向くようになり、結果として緊張が和らいでいくのでした。
まだまだ緊張の問題は難しいのですが、緊張していてもできることがあるという考え方は、自分にとって今のところとても役立っています。
(2005/3/17)