新書「はり100本」を読んでから、鍼灸にハマっています。東洋的な身体観に興味があって手に取った本だったのですが、とても面白く、ついには生まれて初めて鍼を体験するまでになりました。
面白いのが、この著者の鍼のスタイルが、患部にだけ鍼を打つのでなく、どこが悪くても全身に鍼を打つということ。私は腰を痛めて行きました。ならばすぐ腰に鍼を打てばいいというふうに思うのですが、実際には、まず患者を観察し、話を聞き、脈を診たり、おなかの感触を確かめたりするのから始まります。そして、鍼は患部から離れた、足首や手首から打ち始めます。そして、脚、腕、背中やおなか、顔などに来て、最後に腰にずっしりと鍼を刺していきます。著者の表現を借りると「碁の布石のように打つ」。いきなり腰に刺そうとしても緩んでいないのでしっかり刺さらない。全身に刺して緩めていくことで、最後に腰に鍼がしっかり刺さるのだそうです。
これが自分がインプロのワークショップをファシリテートする感覚とすごく近かったのです。まず、参加者の様子を見て、参加者からやりたいことや調子などを聞く。そして、今日のワークショップの目標を立てる。しかし、いきなりそこからは入らない。一見関係ないような簡単なゲームから入り、その反応を見ながら、目標に直接は関係しない、しかし目標の準備となるようなアクティビティーを重ねていく。そうして最後に、その日にやりたかったことを行う。そうすると、やりたかったことが楽しく、そしてしっかりとできるのです。
鍼のおかげで、日々の仕事のイメージを整理することまでできたのでした!
(2006/10/25)